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こわい話 足音(sound of footsteps)わたしは、新しいアパートに引っ越しました。 それは、三階の一番はしの部屋でした。 (はし:end) その日、夜寝ていると、足音が聞こえました。 外の廊下を歩く足音が聞こえるのです。 誰かが、わたしの部屋の前まで来ました。 その足音は、わたしの部屋の前まで来て、とまりました。 わたしは思いました。 わたしの部屋は、一番はしだから、きっと、わたしに用事があって来たのだろう……。 しかし、誰だろうか……こんな深夜に……。 (深夜:midnight) ところが、しばらくすると、その足音は、そのまま引き返して行きました。 (引き返す:to turn back; to go back)
わたしは思いました。 ……おそらく、部屋を間違えたのだろう。 ……間違えたことに気が付いて、戻ったのだろう。 そう思っていると、また、別の足音が聞こえました。 そして、その足音も、わたしの部屋の前まで来て、とまったのです。 そして、また、引き返して行きました。 わたしは怖くなりました。 わたしは起き上がり、そっと玄関を開けて、廊下を見てみました。 でも、誰もいません。 わたしは玄関の戸をしめると、かぎをかけました。 それから、部屋に戻って横になりました。 (横になる:to lie down)
すると、また、足音が聞こえるのです。 今度は一人ではありません。 何人かが歩いて来るようです。 そして、また部屋の前で止まりました。 しかし、今度は、引き返しません。 それどころか、また、別の足音が聞こえました。 無数の足音が、次々に歩いて来て、部屋の前で止まりました。 (無数の:countless, numberless) たくさんの人間が、玄関の前の狭い廊下に集まって来るのです。 (集まる:to gather) その時でした……。 その無数の足音が、いっせいに、部屋の中に入って来たのです。 (いっせいに:at the same time) しまっているはずの玄関の戸を通り抜けて……。
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