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 こわいはなし

 日記にっき(diary)


 東京とうきょう会社かいしゃ就職しゅうしょくして、五年ごねんぎました。

就職しゅうしょくする:to get a job)

 わたしは、ひさしぶりに、実家じっかかえりました。

実家じっか:my parents' house)


 以前いぜん使つかっていた、実家じっか自分じぶん部屋へやは、そのままのこっていました。

 本棚ほんだなていて、わたしは、ふと、ふる自分じぶん日記にっきつけました。


 わたしは、なつかしい気持きもちで、その日記にっきひらいてみました。

(なつかしい:nostalgic)

 そこには、子供こどものころのことがいてありました。

 そして、中学生ちゅうがくせいのころのこと、……高校生こうこうせいのころのことも……


 不思議ふしぎなことに、大学だいがくはいってからのこともいてあったのです。

不思議ふしぎ:strange)

 大学だいがくは、実家じっかて、東京とうきょう学校がっこうきました。

 だから、どうして、ここに、そんな日記にっきがあるのだろう、とおもいました。

 それに、日記にっきをつけるのは、高校こうこうときめてしまったのです。

 大学だいがくのころの日記にっきのこっているはずがありません。


 しかし、それだけではありませんでした。

 わたしが就職しゅうしょくしてからのことも、日記にっきいてあったのです。

 いや、もっとおそろしいことがありました。

 昨日きのうのことも、今日きょうのことも、……。

 そして、明日あしたのことも、……。


 そこには、わたしがぬまでのことが、すべいてありました。


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