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 こわいはなし

 つち(dirt)


 あさきると、つちがついていました。

 わたしには、それがなぜか、わかりませんでした。

 不思議ふしぎでした。


 つぎあさも、めると、あしつちがついていました。

 わたしは、こわくなりました。


 そして、そのつぎも、あさきると、手足てあしが、つちよごれていました。

よごれる:to become dirty)

 毎日まいにち毎日まいにちあさきると、手足てあしが、つちよごれているのです。


 そのうちに、わたしゆめるようになりました。

 地面じめんっているゆめです。

る:to dig)

 あなっているのです。


 しかし、いつも、あなっている途中とちゅうで、めました。

 めると、からだつちよごれているのです。


 わたしは、毎日まいにちおなゆめました。

 ゆめなかわたしっているあなは、次第しだいに、ふかくなっていきました。


 そして、あるゆめなかで、おもいました。

 ……もう十分じゅうぶんだ、とわたしおもいました。

 それから、わたしは、あるものを、そのあななかはこんできたのです。

 それは、子供こどもでした。

 それは、わたし子供こどもでした。

 んだ子供こどもでした。

 ……それは、わたしころした子供こどもでした。


 わたしは、自分じぶん子供こどもころして、つちなかめたのです。

める:to bury)


 わたしましました。

 わたし手足てあしどろだらけでした。

どろだらけ:muddy)


 いや、それだけではありません。

 わたしからだは、まみれでした。

(血まみれ:bloody)


 そして、まえには、んだ子供こどもっていました。

 それは、わたしころした子供こどもでした。


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